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日本代表 11年前

柿谷曜一朗が語るザックジャパンに“化学変化を起こせる”自信。期待の新星は代表の救世主となれるか?

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「自分の中で戸惑いがあったし、迷いながらやっていた」

 前半14分に本田のスルーパスを反転しながら受けたチャンスを皮切りに、柿谷は持ち味を徐々に出し始める。33分には自ら相手ボランチ・ガルガノを追い込んでボールを奪い、岡崎に預けてゴール前に飛び出す決定機を迎える。

「僕がボールを奪った後にそのまま右を走っていたらかなりいいタイミングで来た。ただ、真司君が逆サイドにいるのが見えたんで、トラップしてムリせずにポーンと蹴ろうと思った。

GKがめちゃ寄せてきてたので、とりあえずかわしてからと思ったんだけど、ちょっと前にトラップしすぎてしまった」と本人は悔やんだが、得点感覚の鋭さという長所を前面に押し出した。

 後半はより持ち味を発揮してくれると思われたが、立て続けに3点目、4点目を奪われたことで柿谷自身もトーンダウン。豊田陽平と交代し、ベンチへ下がった。試合後の様子を見ても、不完全燃焼感は拭えなかった。

「結果的に負けたし、僕も何もやってないし、ゴールも奪えなかった。自分の中で戸惑いがあったし、迷いながらやっていた。真司君も久しぶりに一緒にやって(感覚的に)薄れていたところがあったし、圭佑君もオカさんの初めてじゃないですか。

 だからいろいろ考えてしまって。『迷わんとやれ』って圭佑君にも言われたんですけど、そういうのがなくなるようにしたいし、もっとチームに貢献したいなと思いましたね。

 正直、僕がボランチからほしいタイミングが2~3回あったんですよ。いつもなら裏に抜け出していたのに、今日は引いていた。僕をおとりにして他の選手にバイタルに入ってもらえばいいと思ったから。だけど自分ももっと要求していいんでしょうね。今はもっと長い時間、みんなと練習したいですね」と悔しさを口にした。

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