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日本代表 11年前

ザックジャパン不動のレギュラーである遠藤と長谷部。ボランチの“聖域化”は正しいのか?

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada , Asuka Kudo / footballchannel

台頭してきている新たなボランチ候補

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ヘルタでポジションを掴み新境地を開拓している細貝【写真:原田亮太】

 現象の指摘はおそらく正しいが、要因は“日本人”というより、現状の遠藤と長谷部にあると言っても過言ではない。ボランチのポジションでは、細貝萌が新天地のヘルタ・ベルリンで開幕からポジションを掴み、監督の厚い信頼のもと、彼自身が課題とする攻撃参加やボールを奪ったところからのビルドアップを意欲的にチャレンジしている。

 東アジアカップでは山口螢が台頭したが、彼は守備から入り、かつ攻撃の起点になれるタイプの選手だ。他にも現在の代表候補だけで高橋秀人、扇原貴宏、青山敏弘、東アジアカップは体調不良で辞退した柴崎岳がおり、代表経験者の米本拓司も長期の怪我から復調し、スケール感のあるプレーを続けている。

「ダブルボランチは攻守ともに優れた選手を置いている」と語るザッケローニ監督だけに、例えば今野をボランチの一角に据える、中盤の底にアンカーを置くといった対策は取らないと考えられる。

 実際、そうした措置を取る前にできることはあるはずだ。ボランチは実戦でコンビネーションを養う必要があり、1試合ごとにメンバーを変えるなど、限られた試合の中でベストの組み合わせを探すことは容易ではない。

 しかし、日本代表が目指すスタイルを維持しながらチューンナップをはかれるポジションであり、そのための候補もいる。決して遠藤と長谷部を主力の候補から外せということではなく、一度“聖域”を取り外して競争をうながすことで、攻守両面の底上げをはかることができるはずだ。

【了】

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