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【特集:ボーダーレス化する世界】中東の帰化を巡る、札束と国籍(その3)

text by 編集部 photo by editorial staff

帰化することでのメリットとは?

――選手側も国民として違和感はなくなっているのでしょうか?

「ないですね。それはカタールという国を知っているわけですから。ただ国籍がなく大抵の家庭は貧乏な人が多いので、パスポートをもらえることで国から援助金がかなり出て、大学進学が無料、医療費が無料、といったことが家族全員に適用されるわけですから。家族が一気に楽になりますよ。カタール人はお金がたくさんあるわけで、国民の誰も税金の無駄遣いと言う人もたぶんいません。むしろ困っている人にお金を使ってサッカーで貢献した対価を国が払うわけですから」

――ルール無用で帰化させることはなくなってきている?

「僕はそれを“健全な帰化政策”と、呼んでいます。その理由としてはFIFAなどからアラブの国が嫌われていることもありますよ。そういうことをすると随分叩かれますからね。2022年のW杯招致で賄賂があったとか、現にモハメド・ビン・ハマン(元FIFA理事)は潰されちゃいました。だから法律内で、かつ荒波が立たないようにしていますね」

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