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【特集:ボーダーレス化する世界】中東の帰化を巡る、札束と国籍(その4)

text by 編集部 photo by Asuka Kudo / Football Channel

偏狭なナショナルチームにこだわる代表の意義はあるのか

――逆にフランス側もそれを利用していたようなものですね。

「素晴らしい選手でしたからね。逆にフランスが純血だけでチームをやるのはかなり厳しいんじゃないですか。だから90年代のドイツだって純血じゃないと国民感情が許さない、という論調があったけど、そういった選手が何十人とか出てくれば、選ばざるを得ないんです。

 結果としてEUROやW杯で敗退してしまう問題もあるので、偏狭なナショナルチームにこだわっていると『じゃあ何の為の代表なんだ』となります。良いか悪いかは別にしても世界的にボーダーレスになっていますね」

――結局、民族、ルーツはあまり関係ないと思う人が大半なのでしょうか。

「アフリカの国でほとんどのケースですけど、ナイジェリアのパスポートを持っていてもいろんなビザが必要になると、例えば、ヨーロッパではポーランドが割と簡単に国籍をもらえる。

 ちゃんとした形で住んで、結婚して住んでいれば、すぐパスポートをもらえたりしますからね。ベルギーとかもそうですかね。その考えでいくと、日本はわりと閉鎖的なのかもしれないですよ」

【了】

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