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アジア人選手にとって鬼門のスペインリーグ。17歳で一部デビューした韓国期待の新星は成功を掴めるか?

text by 呉承鎬

これまでスペインで成功した韓国人選手はなし

 ただ、韓国人選手にとって、スペインリーグは“鬼門”でもある。これまで同リーグにチャレンジした3人の選手たちは、いずれも成功したとは言い難い。先駆者と言えるイ・チョンスは、2003年にレアル・ソシエダ、2004年にCDヌマンシアなどでプレーしたが、2年間で28試合出場、無得点に終わっている。

 また、大学卒業後にスペインに渡ったイ・ホジンも、ラシン・サンダールで2シーズンを過ごしたが、出場したのは1試合のみ。ロンドン五輪にオーバーエージ枠で出場し、韓国代表に銅メダルをもたらしたパク・チュヨンも、2012年にセルタ・デ・ビーゴに移籍したが、期待されたほどの活躍はできなかった。

 はたしてキム・ヨンギュは成功することができるだろうか。韓国メディアの報道を分析してみると、これまでスペインに挑戦した韓国人選手との“3つの違い”が見えてくる。

 まず一つ目は、言葉の問題だ。2009年からスペインで生活しているキム・ヨンギュは、現地メディアのインタビューにもスペイン語で答えるほど、言語の問題をクリアしている。ある韓国メディアは、「4年近く現地で生活しているおかげで、キム・ヨンギュは意思疎通になんの問題がないだけでなく、クラブの習慣にも慣れている」と分析。

 スペイン語で発音しづらい本名の「キム」ではなく、“キウ(kiu)”という別名をユニフォームに入れていることも、彼がいかに現地化しているかを伝えてくれる。

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