行政頼らぬ成功例が日本サッカー界を変える可能性も。ガンバはなぜ自前で専用スタジアムを建設出来るのか?

2013年09月13日(金)12時03分配信

text by 鈴木康浩
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早くから動き出した広島が未だ実現出来ない理由

 ただし、そんな広島でも乗り越えなければならない課題があるという。現に広島は、以前からサッカー専用スタジアムの建設運動が盛んだが未だに実現に至っていない。

「スタジアムの建設予定地が私有地なら問題ありませんが、国有地である場合は、当然ながら行政の承認が必要になります。

 大阪の事例は、寄附金を集めさえすればOKとの行政の判断がありましたが、広島の場合は、たとえば、場所の問題。まずどこに建てるのかが決まっていません。一番の候補地である旧市民球場跡地にサッカー専用スタジアムを建てるというコンセンサスが現時点で得られていません」

 スタジアムを街づくりの中心に据える――そんな新時代の発想がまだまだ地域に浸透していないことも事態が進展しない理由の一つにある。

「ただ単に箱物のスタジアムを建設する時代は終わりました。僕らは今後の街づくりにみんなが共有できる複合型のスタジアムが必要だと考えているんです。

『スタジアムを利用して町を活性化しましょう!』、そんな視点から様々なステークホルダーに説明させてもらいながら、多くの賛同を得て、地域が一枚岩となってスタジアムを造る。その方向へ向かっているのが広島の現状だと思います」

 自分たちのスタジアムは自分たちの努力で手に入れる。確かに素晴らしいコンセプトがだが、様々なステークホルダーの理解は欠かせない。

 この点については、実際に募金活動を陣頭するガンバの野呂社長も「自治体も、市民も、サッカー界も、その他のスポーツ界も、色んな人たちを巻き込んで賛同してもらおうとする気構えが必要になるはずです」と認めている。

 寄附金によるスタジアムの建設は、税金に頼らないサッカー専用スタジアム建設を全国に普及させる、その有力な建設スキームであることに間違いないが、やはり、地域にできるスタジアムである以上、地域の理解なくして成り立たないと肝に銘じておいた方が良さそうである。

【了】

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