手倉森誠監督の覚悟――6年目を迎えるテグ流マネジメントの真髄(後編)

J1の昇降格争いをする立場から、優勝戦線に加わったべガルタ仙台。今年で監督就任6年目を迎えた手倉森誠監督はどのような哲学をもとにチームを作り上げてきたのか。また日本における監督の立場、現状とはどのようなものなのか。話を聞くため仙台に足を運んだ。

2013年09月20日(Fri)11時13分配信

text by 戸塚啓 photo Kenzaburo Matsuoka
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【前編はこちらから】 | 【サッカー批評58】掲載

監督として一番大切なもの

手倉森監督の覚悟
「監督として一番大切なものでしょう」と、手倉森誠監督は言葉に力を込める【写真:松岡健三郎】

 雰囲気作りは大切なキーワードだ。「監督として一番大切なものでしょう」と、手倉森は言葉に力を込める。「その人がその人らしくいられる雰囲気が一番いい。色々なものを吸収する意欲に溢れていて、もっといい仕事をしたいと誰もが思える雰囲気が。そのためのベースは、勝って浮かれるな、負けてうなだれるな、というメンタリティです。謙虚さを忘れずに、負けても気持ちを切り替えて前を向く。そういう習慣が自分にあるし、チーム全体にも浸透している。そうすると、ブレがなくなるんですよ」

 監督であり、教育者であり、肉親のようでもあるクラブへの関わりは、決して一方通行ではない。手倉森もまた『感』じる日々を過ごし、周囲に突き『動』かされている。「休みたい気持ちが頭をもたげても、スタッフと選手はモチベーションを持ってやってくれている。自分も彼らから、モチベーションをもらっているんです。チームに何かを落とし込んだり、与えているだけじゃない。自分は選手、スタッフ、強化部長、広報、みんなと話す。それによって彼らの思いが汲める。困ったときには、助けてくれるヤツがいるって思える。監督は孤独だって言う人がいるけれど、自分は違うと思っている。もらっているものが、たくさんありますから」

 ベガルタを率いた当初から、手倉森は「5年でACL出場権を獲得する」と話してきた。就任5年目の今年は、公約実現の好機である(※2012年9月時点)。Jリーグ王者としてアジアへ挑むことも、きわめて現実的なターゲットだ。

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