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日本代表 11年前

恩師・海外組からの刺激を成長に変える森重真人。定着を目指すザックジャパンで目指す未来

text by 元川悦子 photo by Kenzaburo Matsuoka , Asuka Kudo / Football Channel

「ワールドクラスのポテンシャルがある選手」反町康治

 10日のガーナ戦は吉田と今野の常連組センターバックにスタメンを譲ったが、ザッケローニ監督が3バックを再度試した後半34分から出場。今度は右CKとして約15分間プレーした。

 2011年アジアカップ優勝メンバーの伊野波雅彦が招集されていたにもかかわらず、指揮官が森重の起用を優先したのを見ても、今後は森重を加えたDF3人でセンターバックを回していこうという思惑が伺える。

 しかし、森重本人は自分の立場を慎重に捉えている。

「代表の中で自分がどの位置にいるのか分からないですし、『お前はもう定着だ』って言われるわけでもないんで。ただ、東アジアからチャンスを与えてもらっているし、そこでしっかり結果を残すことができたから、それを続けていきたいという思いは強いですね。

 自分のやるべきことは、チャンスをもらった時にしっかりやるだけ。そういう機会を増やせるようにJリーグや代表の練習からきちんとやっていくことしかできないと思うから」と本人はこれまでとスタンスを変えず、地道な努力を続けていくつもりだ。

 北京五輪代表の反町康治監督(現・松本山雅)に「森重は非常に能力が高い。ワールドクラスのポテンシャルがある選手」と言わしめていたほど、もともと評価の高かった森重が、26歳になるまでA代表に定着できなかったのは、好不調の波とメンタル面の揺らぎが大きかったからだ。Jリーグの試合でもエゴを押し出すプレーをしたり、無意味な警告を受けたりすることがあまりに多かった。

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