日々の練習に臨む内田の姿勢
シャルケの面々がバーゼルへと向かう直前の9月29日に、シャルケの練習場を訪れた。トレーニングに参加していたのは、アダム・ソロイ、ロマン・ノイシュテッターといったホッフェンハイム戦で途中出場した選手たちと、ユリアン・ドラクスラーといった同戦の遠征に帯同しなかった選手たちだった。
内田の姿はそこになかったので、残念ながら練習後に話を伺うことは出来なかったが、春を思わせる柔らかい日射しの中、選手たちは丁寧にトレーニングをこなしていった。
内田の日々の練習に取り組む姿勢は真剣そのものだ。プロなのだから当然、と言ってしまえばそれまでだが、何度も練習場に足を運んで見ていると、そこに「淡々」という表現は似つかわしくない。
むしろ「眈々」という言い回しがしっくりくる。その内側に熱をじっくりと閉じ込めながら、眼の前の獲物を見定めて射抜こうとしている、といったように感じられる。
そしてそれは試合前のウォームアップについても変わらない。大事なゲームの前なのだから当然、と言ってしまえばそれまでだが、表情からは必死さのようなものが伝わってくる。内田の、サッカーというスポーツに対する根本的な姿勢が現されているように見える。
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