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1点を守り切り、シャルケCL連勝。チームに強い影響を与えた内田篤人の闘争心

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

チームメートに影響を与えた内田の闘争心

シャルケCL連勝
この試合で内田から何よりも感じられたのは、戦う姿勢、闘争心だった【写真:原田亮太】

 前半20分には、「結構狙っている」形で、前線から降りて来たボアテングに縦パスを入れることに成功する。パススピードが少し遅かったため、上手く次の攻撃に繋がっては行かなかったが、ボアテングとは徐々に呼吸が合うようになって来ているようだ。

 しかしこの試合で内田から何よりも感じられたのは、戦う姿勢、闘争心だった。ディフェンスにおける1対1の姿勢はもとより、後半57分の、ドリブルで相手2人を千切ってでも前へ向かおうとする姿勢には、勝利をもぎ取ろうとする気持ちが、込められていた。

 そしてそれは内田だけではなかった。ボアテングも、ノイシュテッターも、シュートを外したときには悔しさを露にした。ディフェンスで相手を弾き返したサンタナは、闘志を剥き出しにした。

 試合は後半54分、ドラクスラーが豪快にボレーで突き刺した1点を、内田を含めチーム一丸となって守り切って、シャルケが本当に貴重な1勝を挙げた。

 内田の根幹には日々の練習での眈々とした姿勢があり、日常の中で一筋の軸となっているように思える。そのブレない姿勢が試合での闘う姿勢に繋がり、ときにチームの状況が芳しくなくとも、そこを乗り越えてまた新しい勝利を手繰り寄せていくのだろう。

 そしてその内田の姿勢は、仲の良いドラクスラーや今試合で先発したマイヤーといった若い選手にも少なからず影響を与えているのではないか。それが十分に感じさせるバーゼル戦だった。

【了】

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