ラウールから受けた刺激
7月下旬にシャルケのホーム、ヴェルティンス・アレーナにて、ラウール・ゴンザレスの所属するアル・サッドを招いての親善試合が行われた。その数日後に練習場にて話を伺ったが、そうした姿勢に影響を与えたものの一つに、かつて共に戦ったラウールの存在があるようだ。
「…ラウールは、もう幾つかな、30…分かんないけども(笑)僕なんかよりも本当に一生懸命ボール追っかけるし、後ろから見ていても、ラウールが一番動いていましたからね。
スター選手がこういうところに来て、やっても、鼻高々にならずに一つのボールを追いかける、というのは凄いリスペクトされること。サッカー選手というより、人間的に凄いな、と思います。本当に練習、手を抜かない」
そうして日々の練習を積み重ね、試合をこなす、というサイクルの中で、バーゼル戦が巡って来た。
この試合でも内田は、バランスを取りつつも、積極的に機を見ては前へと攻め上がった。ボールを持ったときには、時にシンプルに、時に緻密に、如何にして繋ぐかを考えているようだった。
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