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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。“叩かれやすい男”ドゥンガ「自分の欠点は敵ではなく友達」

日本人にも馴染みの深いブラジル人選手、ドゥンガ。ジュビロ磐田で一時代を築き、ブラジル代表でも活躍した。偉大なサッカー選手の一人ではあるが、母国ではたびたび批判の対象になってきた。

「自分はエドゥーのように技術的に優れた選手じゃない」

 物事が上手く進まない際、責められやすい人間というのが存在する。

 その人物にとりわけ失策がなくとも集団の失敗を被せられることもある。前回2010年W杯アフリカ大会でブラジル代表を率いた、ドゥンガはそういう存在だった。

 ドゥンガことカルロス・カエターノ・ベーリは63年10月31日にブラジル南部のリオ・グランジ・ド・スール州のイジュイという街で生まれた。

「ドゥンガ」とはあだ名で、白雪姫に登場する7人のこびとたちの1人だ(日本では「おとぼけ」と訳される)。子どもの頃の彼は背が低く、頭でっかちだったため、叔父がそう呼んだのだ。

 83年にポルトアレグレの『インテルナシオナル』でデビュー、翌84年に『コリンチャンス』、86年には『サントスFC』に移籍した。この時期のサントスには三浦知良も所属していた。その後、イタリア、ドイツ、そして日本のジュビロ磐田でプレーした。

 彼は各年代の代表に招集され、83年のワールドユースで優勝、84年のロサンゼルス五輪では銀メダルを獲得している。

 ドゥンガと同じ63年生まれに、エドゥー・マランゴンがいる。横浜フリューゲルスでプレーした、あの「フリーキックのエドゥー」だ。エドゥーが代表に招集されると遠征、合宿ではドゥンガと同部屋になることが多かった。

「自分はお前のように技術的に優れた選手じゃない。だから、いつも何が足りないのか、どう補えばいいのか考えているんだ」

「ぼくは、もう一歩先に進みたいんだ」

 ドゥンガが口癖のように言っていたことがエドゥーには印象に残っていると教えてくれた。

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