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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。“叩かれやすい男”ドゥンガ「自分の欠点は敵ではなく友達」

規律を取り戻すため代表監督に抜擢されたが…

 今から7年前――2006年ドイツ大会のブラジル代表は大きな期待を背負っていた。

 ロナウド、ロナウジーニョ、ロビーニョ、アドリアーノ、カカ――選手個々の能力だけ見れば最強のチームであることは間違いなかった。そして、ブラジル人の愛する〝ジョーゴ・ボニート(英訳すればビューティフル・ゲーム)〟を体現できるチームだった。

 しかし、才能ある選手たちは気まぐれで、チームとしてのまとまりに欠けた。合宿中から問題が頻発し、準々決勝でフランスに敗れた。

 強いチームには規律が必要である。当たり前のことに気がついたブラジルサッカー協会が次の監督としてドゥンガに声を掛けたのは必然だったろう。

 ただし――。

 ブラジル監督に就任した2006年10月末にもぼくはポルトアレグレで彼に取材している。

 サンパウロの空港に向かう前、旧知のブラジル人ジャーナリストにこれからドゥンガに会いに行くと言うと「彼が個別のインタビューに応じるだなんて、お前はどんな魔法を使ったんだ」と驚いた顔になった。

 すでに監督ドゥンガとブラジルメディアとの関係は最悪だった。それは2010年W杯まで続くことになる。

【次週へ続く】

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