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代表 11年前

ペップ=バイエルンの影響か。ポゼッションなんと75%、ドイツ代表で進むバルサ化

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

本大会までにはさらに影響力が強くなる可能性も

 前半戦は、アイルランドがかなり引いて守ってきた、ということもあるだろうが、ドイツが圧倒的にボールを支配し、一方的なワンサイドゲームを展開した。それはまるで、かつてスペイン代表が、そして今バイエルンが魅せるサッカーのようだった。

 象徴的なのは先制ゴールのシーンだ。ケディラに中央の位置からラストパスを送ったラームのポジショニングは、所属先のバイエルンでアンカーの位置を勤めるラームの姿を彷彿とさせた。

 そのようにして、バイエルンの選手たちを触媒として、グアルディオラのサッカーが間接的にドイツ代表にも影響を及ぼしてきているのではないだろうか。ひとつの指標に過ぎないが、対アイルランド戦でドイツ代表のボール支配率は、75パーセントだった。

 試合は結局、後半戦も似たようなゲーム展開となり、58分にはクロースのパスから、裏に抜け出したシュールレが追加点を挙げ、アディショナルタイムにはまたもクロースのラストパスから、エジルが止めを刺した。それはそのまま、ドイツ代表のW杯ブラジル大会出場決定を意味した。

 もちろんこの試合のみでドイツ代表のスタイルはグアルディオラのサッカーの影響下にある、と断定するのは早急に過ぎるだろう。しかし、W杯までの約7ヶ月、その影響と無縁のままでいられるかというと、そうとも言い切れないのではないか。

 西ドイツ代表が世界を制した1990年のイタリア大会以来、実に24年ぶりの覇権奪回へ向け、今後ドイツ代表の中ではどのような化学反応が起こっていくのだろうか。

【了】

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