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日本代表 10年前

なぜ柿谷は不発だったのか?「清くん(清武)が入ればまた違う」(山口)

ザックジャパンの欧州遠征は攻守に課題を残した。攻撃陣は2試合で0得点に終わり、1トップとして期待された柿谷曜一朗も不発。本人も悔しさをあらわにした。なぜ柿谷は不発だったのか。本人の課題も多いが、活かすためのチームとしてのプレーにも問題はあった。

text by 河治良幸 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「ただただ勝ちたかった。僕らが点取れないのが原因」

なぜ柿谷は不発だったのか?「清くん(清武)が入ればまた違う」(山口)
「2試合連続で0点やったんで、それだけです」と柿谷曜一朗は語る【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 交替が告げられたのは後半6分。テストマッチとはいえ、1点のリードを許している状況で、早い時間帯にFWの選手が下げられる心境は察するにも余りある。

 前半13分には相手DFのミスから1対1の場面が生まれ決めるだけだったが、左足のシュートはGKの守備範囲に飛んでしまった。

「自分のところで決められるチャンスもあった。今日は勝ちたかっただけなので。うまくいってる、いってないじゃなくて、ただただ勝ちたかった。僕らが点取れないのが原因。2試合連続で0点やったんで、それだけです」

 そう悔しさを表す柿谷だが、「驚きはなかった」と語ったセルビア戦と同様に相手DFとの勝負に完敗した印象は抱いていないようだ。彼らとの勝負以前に、自分の持ち味やイメージを仲間と共有し、効果的なパスを引き出せなかったことが、彼の感想にも影響しているのだろう。

 交替後に少し話をしたという、セレッソ大阪の同僚である山口螢は「曜一朗くんは外から見ていても、ボランチとかがボールを持った時はまず裏に動き出していた。それを誰も見てなかったというか、見ていたとしても出してなかった。曜一朗くんの持ち味なのに、そこを活かし切れてなかった」と振り返る。

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