カルチョの国からの最先端戦術理論(後編)セットプレー専門家が6000以上のパターンから日本代表にもたらす大きな可能性

日本では馴染みのないフィオレンティーナのコーチ、ヴィオ・ジャンニ。彼はなんとセットプレーの専門家。ビオラを欧州でも一位のセットプレー得点数に押し上げたコーチの手腕とはいかに? カルチョの世界からの最先端理論を紹介する。

2013年10月21日(Mon)13時19分配信

text by 宮崎隆司
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【前編はこちら】

コンマ3秒を削る、大きな意味

 一体どうすればセットプレーから得点できる確率は上がるのか。こう問うとヴィオは、『一例だが』と短く前置きした上で次のように即答した。

『コンマ3秒を削る』

 つまり、例えばコーナーキックを例にとれば、そのボールが放たれてからエリア内に達するまでの時間はおよそ0.3~0.4秒。さらに、エリア内に達したボールを味方が捉えた瞬間から起算して、そのシュートに反応するためにGKが必要とする時間が凡そ0.4~0.5秒とされる。したがって、『計0.7~0.9の内の0.3秒ほどを削ればGKは反応できなくなる』というわけだ。

 もちろん、この場合の「削る」は、GKの視界から『ボールを消す』ことを意味する。要するに、そのための手段(もちろん奇策も含む)に工夫を凝らしては緻密に実践する、と。

 その上で、ヴィオの論は次のように続く。

カルチョの国からの最先端戦術理論(後編)
仮に上記ゴール数を30として、その50%で見積もっても年間『15ゴール』。
事実、昨季のフィオレンティーナは76.7%に相当する『23ゴール』を記録。

『古くはプラティニやジーコ、ロベカルやジュニーニョ(・ペルナンブカーノ)、バッジョやデル・ピエーロ、今日で言えばクリスティアーノ・ロナウドやメッシ、あるいはアンドレア(・ピルロ)など、正真正銘の超一流、FKの名手がチームにいれば話は別だが、世の大半のチームはそうじゃない。とすれば、このデータが持つ意味はそう小さくはないということになる』

 そう言いながら示したのが右の表である。

 前述の通り、昨季のフィオレンティーナのゴール「23」は、全体の31.9%に相当する。したがって、上の表に書かれた数字は実績によって裏付けられていると言えるだろう。

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