そこにいたファンはどこへ?話題を呼んだモウリーニョ退場劇。“家族席”観戦の知られざる事情

先週のプレミアリーグで退席処分を受けたジョゼ・モウリーニョ。ベンチを去りファンの囲まれた席に座ったことで大きな話題を呼んだ。ところで、こういった場合、元々その席にいた人はどうなるのだろうか。知られざる事情に迫った。

2013年10月25日(Fri)10時40分配信

text by 山中忍
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退場処分だが主審にも温情が

 今季のスタンフォード・ブリッジには、ホームでの開幕戦からジョゼ・モウリーニョの写真の下に、「ONE OF US」と記された横断幕が張られている。ポルトガル人監督が、チェルシーでの2度目の就任が決まった今年6月に口にした、「ファンの1人として戻ってきた」という台詞に呼応する、親愛の情を示す1枚だ。

 そして、開幕から2カ月が経過した10月19日のカーディフ戦(4-1)、チェルシーの指揮官は文字通り、スタンドで12人目の一員となった。

 モウリーニョがベンチからの退去を命じられたのは、試合も残り20分強となった頃。自軍がスローインを得た場面で、主審がボールを持ったブラニスラフ・イバノビッチにプレー再開を即すと、血相を変えてベンチを飛び出して抗議した。

 意外な光景だった。チェルシーは、その数分前の選手交代に伴う3バックへのシステム変更が奏功し、2-1とリードを奪った直後だったのだ。その時点では、スローインの位置が不満なのかと思われたが、最終的には前半から相手の時間稼ぎに苛立っていたところに、イバノビッチが「2秒足らず」でスローインを急かされたことで、我慢が限界に達したのだと判明した。

 もっとも、主審にも情けはあった。その証拠に、モウリーニョは通常は2階席に追いやられる「スタンド行き」ではなく、「ベンチ外」のみを告げられている。とはいえ、最初に移ったベンチ後方2列目は、さすがに退く距離が足らなかった。

 周囲がチームスタッフと当日のメンバーから漏れた選手では、ベンチも同然と見なされたのだろう。再び席を追われたモウリーニョは、数列後方の一般席に座るはめになった。

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