注意したい日本人選手の海外挑戦。リスクある東欧移籍、明るみになった理不尽だらけの実情

2013年10月29日(Tue)12時07分配信

text by 永田到 photo Asuka Kudo / Football Channel
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給料未払いの多いモンテネグロ、八百長が蔓延するカザフスタン

 給料の受け取り状況が最も深刻なのがモンテネグロだ。「所属先のクラブから期日通りに給料が支払われているか」との問いに対し、「はい」と答えた選手の割合はわずか6.0%となっている。

 同じ質問で最も高い割合だったのはロシアとウクライナで、それぞれ84.8%と84.5%の選手が期日通りに支払われると答えている。12か国平均では58.6%で、伊野波が給料支払い遅滞を理由に去ったクロアチアですら39.8%だ。12か国で唯一の一桁台であるモンテネグロは、他国と比べても特段劣悪な受給状況にあると言えよう。

 給料支払いの遅滞の理由として、一般的に思い浮かぶのが「資金不足」だ。実際に12か国全体で見ても、93.0%が資金不足を理由として挙げている。しかしカザフスタンだけは他と大きく異なる結果を差し示している。

 クラブによる給料支払いの遅滞を、他国同様に資金不足が原因と回答した選手はわずか56.8%に留まり、40.9%(つまり残りの選手のほぼ全て)が、「給料の減額を選手に受け入れさせるため」にクラブが給料支払いを遅滞させていると回答している。

 カザフスタンはまた、国際警察機構が近年取り組みを強める試合の不正操作についても、深い関連性を持っていることがわかる。「不正試合の誘いを持ちかけられたことがあるか」を問う設問に対して、12か国全体では「ある」と回答した選手の割合が11.9%であるのに対し、カザフスタンでは34.3%にものぼる。

 報告書の所感では、カザフスタンのクラブがこの調査のプロセスに介入し中断を求めてきたこと、結果として調査業務が極めて困難な状況に陥ったことについて言及されている。

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