フットボールチャンネル

代表 10年前

日本代表、Jクラブの広報戦略に満足していますか? ベルギー代表に学ぶ正しい「Youtube」の使い方

text by 桑村健太

どこまでも“選手が主役“なコンテンツ

 ベルギーサッカー協会が所有するコンテンツは、実に多種多様である。まず、カテゴリーに富んでいる。男子フル代表以外にも、U-21代表やU-17代表、女子代表、フットサル代表など、協会に属すあらゆるカテゴリーのチームのものが集約されている。

 さらに代表以外にも、ベルギーリーグのハイライト等も同協会のチャンネルには登録されており、代表チームをトリガーに国内リーグにも興味を持ってもらえるような工夫が見てとれる。こういった協会とリーグの密な連携は、日本も積極的に採用すべきだろう。

 さらに興味深いのは、コンテンツの種類の幅である。通常、こういった協会のYoutubeチャンネルには、試合のハイライトやインタビューといったものがほとんど、あくまで広報的な使われ方が一般的である。しかし、ベルギーサッカー協会のそれは少し異なる。

 なんと、選手が少年サポーターにドッキリを仕掛けるもの、代表チームの1日を密着した短いドキュメンタリー、選手がそれぞれ椅子に座り「誰が一番モテる?」といったテーマを話し合うものなど、選手たちの素顔が垣間見えるような動画が目立つのだ。

 中でも象徴的なのは、フル代表の選手たちがU-21代表の試合を相部屋で寝転びながら仲睦まじく見ているものだ。ここでは、選手たちの普段の会話や身体接触の様子がとらえられており、選手間の人間関係を知ることができる。彼らのチャンネルには、「1人のプロサッカー選手」というよりは、「1人の人間」としての側面をフィーチャーしたコンテンツが目立つのだ。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top