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連載コラム 10年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。なぜジエゴ・コスタはスペイン代表を選んだのか

マドリッド・ダービーで得点を奪い、世界中の注目を集めた

 2012年シーズンも『ラーヨ・バジェカーノ』にレンタル、シーズン途中からアトレチコ・マドリーに戻った。ディエゴ・フォルラン、セルヒオ・アグエロ、ファルカオ・ガルシア、ダビド・ビジャといった世界的なフォワードとポジションを競うようになったのだ。

 世界中の注目を集めたのは、今年9月28八日のことだった。

 マドリッドのサンチャゴ・ベルナベウで行われたレアル・マドリー戦――“マドリッド・ダービー”でディエゴ・コスタは得点を挙げ、アトレチコは1対0で勝利した。サンチャゴ・ベルナベウでアトレチコは14年間もレアルに勝てなかった。その呪縛を彼が解いたのだ。

 ジエゴ・コスタは今シーズン開幕から得点を重ねて、クリスティアーノ・ロナルドと並んで得点ランキング首位を走っている(11月9日現在)。

 今年6月にスペイン国籍を取得、スペイン代表となる権利を得た。ブラジル人選手が他の国の代表になることは珍しいことではない。

 古くは1958年W杯優勝メンバーのマッツォーラは、次の六二年大会でイタリア代表として出場した。デコ、ぺぺはポルトガル代表の中心選手となった。我が国でも、ラモス瑠偉、呂比須ワグナー、アレックス三都主、田中マルクス闘莉王などが帰化し、日本代表となった。

 W杯の前になると、ブラジルではこうした世界中にいるブラジル出身の代表選手という記事を掲載する。自分たちのサッカーは世界一である。だから、セレソンになれない選手でも他のチームに行けば中心選手になれるという優越感が根底にあった。

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