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鉄人の声を聞け プロ20年目の達観――服部年宏(FC岐阜)

text by 海江田哲朗 photo by Kenzaburo Matsuoka

Jリーグの移り変わりを見てきた服部

――手強いと感じていたチームは?

「鹿島、マリノス、それにダービーで雰囲気がガラッと変わるエスパ。今と違い、そのほかとの差はかなり大きかった。前半で3-0とかザラにあったし」

――現在、そういった格差はぐっと縮まっています。

「優勝を目指せるチームが10もあるリーグなんて、ほかでは考えられないでしょ。だいたいどの国も3つか4つが上位でしのぎを削り、それ以下の各クラブの役割が決まってくるのに。お金のあるクラブにはちゃんとやってほしいですよ。その点、近年の名古屋が予算に見合った結果を出しているのはいいこと」

――Jリーグの移り変わりは、服部選手の眼にどう映りますか?

「人が代替わりしたものね。選手も、会社の人も、サポーターも。それぞれのクラブが別物になっていくなかで、芯を残しているのが鹿島。いつもやりづれえと思いながらやっていた。あの勝負強さ、粘り、いやらしさは健在だね。ただ、ミツオ(小笠原満男)がいるといないでは別物。彼がだいぶ背負っているから、次に誰が引き継ぐのか」

――選手の海外進出が盛んで、チームの作り方も変わってきました。

「昔は軸になってくれる選手が10年くらいレギュラーでやっていたから、そこを中心に組み合わせてチームを作れた。ところが今は、次の時代はこいつと狙いを定めても、ポンッと海外に行ってしまう。おかげでチームが変わり易く、コンセプトが継続しづらい」

【次ページ】若手へのメッセージ
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