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未勝利、最下位に沈むニュルンベルク。それでも前を向く長谷部と清武

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

「強い気持ちを持って、頑張っていきたい」

 ニュルンベルクはゲームのバランスを崩し、ボルシアMGはいつもの残酷で破壊的な攻勢を取り戻していく。72分、フアン・アランゴがその左足からミドルを叩き込む。75分、シュタークがオウンゴールを喫してしまう。87分、プレスが掛からなくなったボルシアMGのボランチ、クラマーが、前を向いた。

「…悪くない試合だったと思いますし、あとは精神的な問題だと思います。1点取られても、もう一回、取り返す、っていう気持ちでやらなきゃ。この先、難しい試合が、どんどん続きますし、強い気持ちを持って、頑張っていきたいと思います」

 すぐに頭を切り替えることはできない、としながらも、清武は、言葉を振り絞ってくれた。言葉を絞り切ると、こちらの目を真っすぐ射抜いてくれた。清武の心は、まだ死んではいない。

 1-3という結果だけを見れば完敗だった。けれども、あのドルトムントすら退けたホームのボルシアMGを相手にニュルンベルクが魅せたサッカーは、本当にクオリティが高く、希望の持てるものだった。

 下を向くのはまだ早い。ときに人には落ち込む時間も必要だが、その時が過ぎれば、長谷部とともに、また新しい明日へと立ち向かってほしい。

【了】

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