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選手証言で検証。オランダ移籍にメリットはあるか?

text by 中田徹 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , junior soccer editorial staff

「日本代表からエールディビジに戻ってくると、ピッチの上の景色が違う」

 エールディビジとJリーグの比較では、ちょっと玉虫色の意見となってしまったが、明らかに言えるのは今も昔もエールディビジのクラブは選手をワンサイズ、ツーサイズレベルが高い選手に育て、ステップアップさせるノウハウに秀でていることだ。

 2010-2011シーズンのユトレヒトは面白い例になる。ヨーロッパリーグではセルチック(0-2、4-0)、リバプール(0-0、0-0)、ナポリ(3-3、0-0)と大健闘したが、中堅クラブの悲哀でエールディビジでは失速してしまい9位に終わった。

 それでもGKフォルム(スウォンジー)、シヌー(PSV、現在はロッテルダム)、DFコルネリッセ(トゥエンテ、現在はヴィレムⅡ)、MFシルバーバウワー(ヤングボーイズ)、ストロートマン(PSV、現在はローマ)、FWメルテンス(PSV、現在はナポリ)、ファン・ウォルフスウィンケル(スポルティング・リスボン、現在はノリッジ)と各ラインの主力が派手にステップアップを果たした。

 そのツケは翌季について、ユトレヒトはチームの再構築に励まなければならないのだが、「これも宿命」という割り切りがある。しかもまだFWムレンガなどスーパーな選手をユトレヒトは抱えていて、MFアサーレにはマラガからオファーの噂も上っている。ちょっと昨季のユトレヒトは極端な例だが、ロマンという面ではエールディビジに軍配が上がるだろう。

 VVVにいた本田圭佑は、日本代表から戻って来た後、こう語ったことがある。

「日本代表からエールディビジに戻ってくると、ピッチの上の景色が違う」

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