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景気に左右されない本当に強いサッカークラブのつくり方「今すぐ非営利法人をつくりなさい」

text by 鈴木康浩 photo by editorial staff

セレッソの育成力。支えるtotoの助成金

――実際にこの仕組みを導入したJクラブもあるようですね。

「セレッソ大阪や東京ヴェルディ、横浜FCなどがすでに移行しています。トップチームは株式会社のまま、育成・普及を別の非営利法人にして運営する手法ですね。実際に今は10クラブ程度が着々と移行を進めていて、あと10クラブ程度がこの仕組みで運営できるようにしたいと相談に来ています。つまり、すでに40クラブのうち20クラブが移行しようとしている」

――ようやくJクラブにも浸透し始めていると。

「そうですね。最初に広がったのが2009年。2008年にリーマンショックがあってクラブも考えざるを得なかった。その年の関西ではセレッソ大阪、関東では東京ヴェルディがこの仕組みを見つけたんです。

 セレッソは日ハムやヤンマーが親企業に付いているのでお金はあるのですが『余裕のある今のうちに模索しておきたい』と担当者が相談に来られました。今、セレッソは育成で注目されていますけれど、クラブのそういう先を読んだ行動力がものを言っている側面もあるかもしれませんね。

 一番注目していたのは助成金を受けられる点でした。そもそも、totoの助成金は非営利法人でなければ申請ができません。それでセレッソは舞州のスポーツ施設に1億5000万円分、ヴェルディは多摩陸上競技場の改修費2000万円から3000万円分の助成をtotoから受けています。

 その成功例が表に出たので、セレッソやヴェルディは何をやったの? となった。去年もJリーグが主催して40クラブを集めて勉強会をしているんです。それがここ2、3年の動きですね」

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