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日本代表ベスト16のカギはポッド2にあり。難敵揃うアフリカ勢をどう攻略すべきなのか?

text by 河治良幸 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

タレント揃うナイジェリア、カメルーン

 セルビア人のステバノビッチが率いた前回と比較すると、攻撃はシンプルに個人技を活かすスタイルに変わったが、アフリカ勢の中では非常に規律と攻守のバランスに優れたチームの特徴に変わりはない。ある意味、コートジボワール以上に隙の少ないチームとも言うことができるが、日本としてはボールを奪いに来る守備を逆に利用して背後のスペースを突いていきたい。

 アフリカ王者としてコンフェデレーションズカップにも出場したナイジェリア、前回の対戦相手であるカメルーンはアフリカ特有の身体能力とリズムを備えるものの、コートジボワールとガーナに比べると研究次第で十分に勝機はあると予想できる。ただ、両国とも前線に一発のあるタレントがおり、日本代表が90分の中で何度か見せるギャップを突かれる危険は小さくない。

 ナイジェリアはモーゼス(リバプール)が存在感を高め、エメニケ(フェネルバフチェ)も最終予選のエチオピア戦で2得点を決めて自信を高めている。そして緑のユニフォームを着ると大胆不敵な司令塔に生まれ変わるミケル(チェルシー)は頼れるキャプテンとして君臨する。日本と同じくブラジルの地を経験していることも軽視できない点だろう。

 カメルーンは良くも悪くも、現在も絶対的なカリスマであるエトオ(チェルシー)の出来がポイント。一度は引退の意向をチームメートに伝えたとされるが、大統領の代理人から説得されたことで翻意した。

 中盤も最終ラインもこなすマティプ(シャルケ)や驚異的な対人能力を誇るアレックス・ソング(バルセロナ)など適材適所にタレントはいる。守備陣もスピードの絶対値は32カ国でも1、2を争うが、組織としての穴は大きい。もちろん強敵だが、日本としては前回同様に攻略しやすい相手だ。

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