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要因は香川不在だけでなく――。4戦未勝利のマンU、不調を招いた中盤のクオリティ不足

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

クオリティ不足のクレバリーとフェライニ

 まずは、トム・クレバリー。

 小柄な英国人MFは香川と似ている部分があって、良いタイミングでボールを受けることができなければ、良いリズムを奏でることができないタイプ。しかし、リオ・ファーディナンドを除くユナイテッドの最終ラインの選手は、組み立て能力が低いため、クレバリーはマークを外しても、本人が欲しいタイミングでボールをもらえない。結果、クレバリーは強いプレッシャーの下でしか、ボールをもらうことができていないのだ。

 そういう面では同情の余地はあるが、ユナイテッドのレギュラー級の中盤の選手には、多少のプレッシャーがあろうともボールをさばける能力がもとめられている。なので、成長が必須なのも間違いない。

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タイミングは悪くないがパス精度の低さが気になるフェライニ【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 二人目は、マルアン・フェライニ。

 アフロヘアーが目印のベルギー代表MFは、中盤として出場した場合、視野はそこそこ広く、状況判断も悪くないため、よいタイミングでボールをさばくことができる。実際、香川が「今出せ!」というタイミングにフェライニは対応していることが多い。

 しかし、問題はパス精度の低さだ。パスのタイミング自体はよいのだが、パスがずれるため、受け手はイメージ通りに次のプレーに移行できない。結果リズムよくボールがまわる起点に、フェライニはなれていない。

 止める・蹴る、といった基本的な技術は短期的にどうこうできる問題ではない。そもそも、パス精度の面でボロが出る中盤より、それが出にくくフィジカルの強さが活きる、前線で起用するべきだろう。

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