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ブラジルW杯の“恵まれた組”に歓喜するフランス。選手・監督・メディアに見える大いなる慢心

text by 小川由紀子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「思わず笑顔になってしまった」(キャバイエ)

 選手たちも喜びムード一色だ。

「決して相手を軽んじることなく、自分たちのエスプリを保って戦えば、次ラウンド勝ち抜けは可能だ」(バルブエナ)
「決して油断はすべきじゃないが、グループ首位で勝ち抜けることに全力を注ぎたい」(マテュイディ)
「他の組と比べたら、相当有利なグループと言える」(ロリス)
「思わず笑顔になってしまった」(キャバイエ)
「抽選に恵まれた。満足だ」(ムッサ・シソコ)
「紙の上では、最高のグループに入れた」(ジルー)

 皆が共通して口にしたのは「Vigilante」という単語。「油断しない」という意味だ。「相手をリスペクトして…」「本戦では何があるかわからない」「決して相手を過小評価してはいけない」……。これらの台詞が出てくる時点で、自分たちがグループ最強である、という自負があるということだろう。

 が、文字通り油断は禁物である。4年前の南アフリカ大会でも、開催国南アフリカ、メキシコ、ウルグアイと組み分け、「最も易しいグループに入った」と言われながら、0勝に終わっている。

 プレーオフでウクライナを引きあてた時も、ラッキームードが漂ったが、初戦は2-0で敗れた。

 そもそも、2012年のユーロ後、デシャン体制になってから彼らが勝利を収めた相手は、フィンランド、グルジア、ベラルーシ、オーストラリア、ウクライナ、そして親善試合のイタリアと、イタリアを除けばW杯やユーロで優勝経験があるような強豪はいない。

 スペイン、ウルグアイ、ドイツ、ブラジルにはしっかり敗れ、日本戦でも黒星を頂戴している。

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