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予選大苦戦だった南米王者ウルグアイ。“死の組”突破のカギは強力2トップ活かすゲームメーカー

text by 藤坂ガルシア千鶴 photo by Kenzaburo Matsuoka

コロンビアに大敗し窮地に

 この試合に備えて、タバレス監督は万全の準備をして挑んだ。会場となる高温多湿のバランキージャに身体を慣らすために、試合の4日前から選手を集め、気候の似たパナマにて合宿。当日は、キックオフ直前に選手全員をピッチ脇に呼び寄せて水分を補給させ、GKムスレラが守るゴールの横に水の入ったボトルを普段以上に用意するなど、体力の消耗を最低限に抑えるためのケアを怠らなかった。

 ところが、肝心のことを怠ってしまった。コロンビアが世界に誇るストライカー、ラダメル・ファルカオのマークだ。試合開始からわずか2分、コロンビアの速攻からスアレスを除く全員が自陣ゴールエリア内で守備体勢をとっていたにもかかわらず、ノーマークのファルカオに先制点を許してしまったのである。

 ファルカオのゴールは、ウルグアイにとってまさに生き地獄の始まりだった。反撃しようにも、コロンビアがMFの選手たちも加わった猛攻を続けたことによって相手ゴールに到達できない。結局4-0の完敗を喫し、ここから一気に下降の一途を辿る。ボリビア、アルゼンチン、チリを相手に惨敗し、ついにプレーオフ圏内から外れて6位に落ちてしまった。

 不振の理由は主に、前線の得点力が一時的に低下したことと、DF陣にミスが続いたことにあった。特に守備陣は、CBディエゴ・ルガーノが所属先で出場機会に恵まれず、ゲーム感覚の鈍化による単純なクリアミスから失点を招いただけでなく、左SBのマルティン・カセレスが左膝靭帯損傷に続いて交通事故に遭い、長期間不在となったことが影響を及ぼした。

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