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予選大苦戦だった南米王者ウルグアイ。“死の組”突破のカギは強力2トップ活かすゲームメーカー

text by 藤坂ガルシア千鶴 photo by Kenzaburo Matsuoka

9人が不動だが世代交代はできている

 それでも固定されたメンバーにこだわり続けるタバレス監督に対し、国内では「選手の世代交代に失敗している」という批判が高まり、不振の戦犯として槍玉に挙げられたルガーノが一時は代表引退宣言をするほど、チームを取り巻く雰囲気は悪化していった。

 しかし、タバレス監督は冷静だった。批判されてもチームのベースを崩さないまま、ここで負ければ一気に8位に転落するという第14節のベネズエラ戦で、それまで不発だったエディンソン・カバーニによる起死回生のゴールで勝利。

 その後行われたコンフェデレーションズ・カップで、メンバーが1か月間集まって練習を重ねたことで本来のチーム力を取戻し、続くペルー戦とコロンビア戦で連勝。

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ウルグアイ基本フォーメーション

 17節で共に4位を争うエクアドルとの直接対決で敗れたものの、プレーオフ圏内の5位が確定。最終節では全員控えメンバーのアルゼンチンに3-2の勝利をおさめたあと、格下のヨルダンとのプレーオフを経て無難に本大会出場を決めたのだった。

 タバレス監督が基本とする布陣は4-4-2、ケース・バイ・ケースで5-3-2の守備主体型を起用することもある。

 11人のうち9人は不動のレギュラーだが、決して控え要員が不足しているわけでも世代交代に失敗しているわけでもなく、タバレスが06年に代表の総監督に就任して以来、ユース代表から育て上げてきたMFのニコラス・ロデイロやガストン・ラミレス、DFのセバスティアン・コアテスやホセ・マリア・ヒメネスといった逸材を次々と引き抜き、重要な試合で出場チャンスを与えている。

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