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2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第2回 大木暁(駒澤大3年)・相馬将夏(法政大3年)

「大きな舞台に立つことで、きっと道が拓ける。自分にはサッカーしかないんです」

 ポジションを失い、先の展望も描けない。単位も取れていない。まさに、ないない尽くしの状況だった。そのくせ、ちゃっかりカノジョはいたときたもんだ。

「守備だけはきっちりやろう。軽率なプレーはしない。1対1では絶対に勝つ。そう決めて、練習でアピールしていくうちに評価を取り戻せた。いやー、危なかったっす。最近になって、ようやく自分のタイミングで攻撃に絡めたり、持ち味を出せるようになった」

 と、人懐っこい笑みを浮かべる。目指すプロの世界は具体性を帯びず、依然として遠くにある。少しも楽観できない状況なのに悲壮感を一切感じさせないのが、大木のいいところである。

 昨季、駒澤大は関東リーグ2部で2位の成績を収め、昇格を決めた。2014年、大学サッカー最後のシーズンは、念願かなって1部で戦える。

「それが何よりうれしい。いまのチームなら1部で充分やれると思います。自分の調子もいい。夏の(総理)大臣杯には出たいですね。大きな舞台に立つことで、きっと道が拓ける。自分にはサッカーしかないんですよ。イチかバチかの世界だけど、不安はないです。あそこ以外に生きる場所はないと思ってますから」

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