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香川真司 10年前

モイーズ監督の「病欠」発言は本当か? 選手起用から考察する香川真司が欠場した2つの理由と真相

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

香川欠場の一つ目の理由

 考えられる一つ目の理由は、ローテーションだ。

 12月・1月のユナイテッドはリーグ戦が詰まっている上に、国内外のカップ戦もあるために超過密日程。いかにうまく主力選手を休ませ、勝ち点を拾い続けるかというのは、プレミアリーグの強豪チームを率いる監督の必須能力だ。

 正直、今季ここまでモイーズ監督はこのローテーションがうまくない。しかも、アレックス・ファーガソン前監督は、ローテーションが上手過ぎたため、モイーズ監督にとっては可哀想だが、前任者の陰を引きずり、相対的に選手の使い方がより下手にみえてしまう。その最たる例がチチャリート起用法だろう。

 このメキシコ人ストライカーは、途中出場から決定的な仕事をするスーパーサブの地位を確立しているが、正直今季は調子がいいとは言い難い。その主因は、定期的に出場機会をもらえず、試合勘が少し鈍っているからだ。

 昨シーズンまでは、途中出場が多いも、ファーガソン監督はチチャリートをうまく起用することで、彼の決定力を引き出した。今季モイーズ監督は、就任したてで、そこまで気が回っていないのか、チチャリートの起用がうまいとは言い難い状態だ。

 いずれにせよ、上手い下手はともかく、モイーズ監督はローテーションを試みているのは確か。そのために、水曜日のシャフタール戦にフル出場した香川を休ませようとしたのだろう。

 香川は昨シーズンに比べ、下半身は少し大きくなり、少しずつではあるがプレミア仕様の体に成長しはじめている。それでも小柄であることに変わりはない。モイーズ監督が香川起用に関してある程度、慎重になるのは当然だろう。

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