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連載コラム 10年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。ジュニーニョ・パウリスタの会長として最初、選手として最後の仕事

クラブのトップにいながら現役復帰

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イトゥアーノのクラブハウス【写真:田崎健太】

 彼はトレーニングを積み、この年の12月に現役復帰した。

「会長を引き受けた上で、現役に戻ることにした。引退試合もやっていなかったからね。選手をやっている間は、会長職の実務は信用できる人間に任せていた」

 正確な表現をすると、ジュニーニョの会社「ジョッタ・ペー」(ジュニーニョ・パウリスタの頭文字をポルトガル語で発音)がイトゥアーノのサッカー部門の経営権を2019年まで譲り受けた形である。

「ジョッタ・ペーはぼくと父親の二人が社員だ。ジョッタ・ペーが二つの団体から投資を受けてクラブを運営している」

 2010年3月、ぼくはジュニーニョがいたイトゥアーノの試合をスタジアムで観ている。ぼくが興味を持っていたのはイトゥアーノではなく、対戦相手のサントスだった。

 ロビーニョがマンチェスター・シティから戻り、ネイマールとガンソという新星が現れていた。6月のW杯南アフリカ大会に二人は滑り込みで選ばれるのではないかと見られていた。

 ところが、ロビーニョは怪我、ネイマールはレッドカードで出場停止しており先発メンバーに入っていなかった。不満に思いながら、相手のイトゥアーノの先発リストを見ると、ジュニーニョ・パウリスタとホッキ・ジュニオールがいることに気がついた。

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