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長友佑都 10年前

失点につながるミスも90分では“悪くなかった”長友。ザックも「過小評価されている」と高い評価

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

トータルで見れば悪い内容ではなかった

 動けてはいた。むしろ、90分トータルとのパフォーマンスとして見れば悪い内容ではなかった。前半は堅実だった。対面にはドリブルでの推進が得意なイタリア代表のMFカンドレーバがおり、彼を見つつ右サイドバックの上がりもケア。

 その中で数は少なめだったが、攻め上がっても存在感を示した。39分、カットインを仕掛けて対面のDFをかわしながら、マイナス方向にトリッキーな折り返しを出したシーンは、これまでの数試合で見せてきたキレを感じさせるものだった。

 後半の16分には、右サイドのビルドアップにあわせてゴール前にポジションを取ると、ジョナタンから来たボールを半身捻りながらヘディングで合わせる。守備でもきっちり貢献を果たし、特に1対1でカンドレーバの足を止め、正面からボールをかっさらって行った13分のプレーは見事だった。

 0-0で推移し、一点が重くなることを見越したマッツァーリ監督は、コバチッチや故障から復帰のミリートを投入し攻撃へと向かう。前節のダービーであれば、長友もここからギアを入れ替え、力強くサイドを押し込んで行ったところ。今回もそうするうちにインテルがゴールを割りそうな予感もピッチから漂わせていた。

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