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長友佑都 10年前

不運な誤審、勝ち切れなかったインテル。長友は後半空回り、カンビアッソと揉める場面も

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

誤審で消された勝ち越しゴール

 しかし長友は、このムードを自ら振り払うべくゴールを決めた。右サイドで組み立てた末にファーへポジションを取り、右サイドをフェイントで破ったアルバレスからリターンを呼び込む。これを右足でゴール左隅に流した。これで前半戦は5ゴールと、シーズン2桁も夢ではないペースだ。

 その直後にも彼は、ジョナタンのシュート性のクロスをファーで押し込む。これはオフサイドと看做され取り消されたが、実はキエーボの選手がオフサイドラインに残っていたという誤審。

 全くもって不運だったが、これもゴールへ絡む動きを完全にものにしている証拠だ。右からの組み立てに反応し、外側から斜めに入り込む動きは、DFの視野には極めて捉えにくい。チームでパラシオに次ぐ5ゴールは、決して勢いだけの産物ではないのである。

 ただ、インテルはその後もリズムに乗れない。前半はアルバレスやコバチッチを中心にパスを回したものの、執拗にプレスを掛けてカウンターを狙うキエーボを崩しきれない。長友も、ゴール後も積極的に行っていたものの、ギアを変えるべき後半でいつになくミスが多かった。

 どうも若干空回りの方が目立った。3分の左クロスは大きくそれ、6分には一対一を仕掛けたところでボールロスト。その後はマークの受け渡しについて意思の食い違いがあったのか、カンビアッソとしばらく揉めていたシーンもあった。

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