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日本代表 10年前

ザックジャパン回想録。早くから代表に招集されるも初キャップが遠い、宇佐美貴史

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel , Ryota Harada

本田と家長から受けた刺激

 同じG大阪下部組織出身の本田圭佑と家長昭博がごく身近でサポートしてくれるのも大きかった。

「本田さんとはいろんな話をしてます。サッカーの話はもちろん、メンタル的な部分もですね。本田さんが前向いた時のシュートへの意識や質がすごく勉強になります。

 家長君はウチの一番上の兄貴と小学校の時、同じチーム(長岡京SSS)だったんで子供の頃から面識がありました。家長君が中学生の時に一緒に遊んだことがあります。1回だけだったんですけど、覚えてくれたんでうれしかったですね。家長君を見てても勉強になる。やっぱり全然レベルが違います。

 代表に来て一番思うのは、個人個人が持ってる意識レベルがすごく高いこと。そういう中に身を置けるのは貴重やし、毎日楽しいし、刺激的な日々を過ごせてます。こういう舞台に毎回選ばれるようにならないといけないとも強く感じます。

 クラブとか代表の練習でアピールすることも大事だけど、監督からは結構、課題を言われているんで、その課題にしっかりと取り組むことが大事だと思います」と宇佐美自身、本田や家長を参考にしつつ、前進していこうという強い意欲を口にした。

 迎えたチェコ戦。日本代表は3-4-3で試合に挑んだ。この3-4-3の周知徹底がこのシリーズ最大のテーマだったため、選手たちは戦術に囚われる傾向が強く、2011年アジアカップを制覇した時のようなスムーズな連動が見られない。得点につながりそうな長谷部のミドルシュートや遠藤のFKもあったが、ゴールを割ることはできなかった。

 0-0のまま試合は後半へ突入。指揮官は19分に伊野波と遠藤を下げて、槙野智章と家長を起用し、流れを変えようとする。が、どうしても得点が奪えない。

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