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元ドイツ代表選手が同性愛者と告白。各方面から称賛の声

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Getty Images

告白した男子サッカー選手はこれで4人目

 ヒツルスペルガーは次のように告白した。

 「私はプロ・スポーツ界における同性愛をめぐる議論を進展させるため、自分が同性愛者であることを告白する。自分のあり方を恥じた事はない。これまで辛く長い時を過ごしてきた。ここ数年で女性よりも男性と過ごすことを望むようになった。イングランド、ドイツ、イタリアでは、同性愛問題が真剣に扱われていない」

 同性愛者を告白した男子サッカー選手はこれで4人目。1990年にサッカー界で初めてゲイを告白したイングランド人FWジャスティン・ファシャヌは8年後、差別に耐えられず首を吊って自殺する悲惨な最期を遂げた。

 だが、2011年3月にスウェーデン人DFアントン・ヒーセン、昨年2月にはアメリカ代表MFロビー・ロジャーズがゲイであることを次々と告白。現代社会の同性愛者に対する風潮が以前より改善されたこともあり、数多くの識者たちから称賛の声が上がった。

 ドイツ代表FWルカス・ポドルスキは自身のツイッターで、「正しく、勇気ある決断をした彼を尊敬する。今回の告白は、現代の大事な象徴だ」と語り、元イングランド代表FWガリー・リネカー氏も「プレミアリーグ経験のある選手で初めて勇敢に告白した彼を祝福する」と述べた。

 ヒツルスペルガーの古巣アストンビラも「我々は彼を支持するし、それがサッカー界に広がることを願う」と声明文で発表した。

 英スカイスポーツのインタビューに応じたアストンビラのファンは「彼はゲイとしてではなく、破壊力のある左足を持つ「ハンマー(=ヒツルスペルガーの愛称)」として僕の記憶に残り続ける」と話している。

【了】

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