フットボールチャンネル

6月の札幌加入が決定した小野伸二 “ボールは友達”を地で行くサッカー小僧

text by 編集部 photo by cNichigo Press

6月の札幌加入が決定した小野伸二 “ボールは友達”を地で行くサッカー小僧
小野伸二【写真:cNichigo Press】

 J2コンサドーレ札幌に6月から加入することが決まったMF小野伸二。小野と言えば“黄金世代”のリーダー的存在として日本サッカーを牽引してきた選手のひとりだ。

 1998年に静岡県・清水商業高校から浦和レッズに入団すると、1年目からプレーメーカーとして頭角を現す。柔らかなボールタッチと絶妙なパスセンスで攻撃陣を自在に操り、自身も9ゴールを奪うなど、ルーキーイヤーとして文句のない活躍を見せて新人王を獲得。

 またこの年に日本代表デビューを果たすと、日本が初出場を果たしたワールドカップフランス大会のメンバーにも選ばれた。途中出場した第3戦のジャマイカ戦では、相手の股を抜いて突破するなど大舞台でも臆することなくプレーした。

 1999年にはワールドユース(現U-20ワールドカップ)にキャプテンとして出場。決勝のスペイン戦は累積警告で出場できずチームも敗れたが、準優勝に貢献しベストイレブンに選出された。

 2001年にオランダ・フェイエノールトに移籍すると、2001-2002シーズンにUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)優勝を果たした。その後、Jリーグ復帰を挟んでドイツ・VFMボーフムでもプレーし、2012年夏からはオーストラリアのウェスタン・シドニー・ワンダラーズでその能力をいかんなく発揮している。

 国際経験豊富で日本代表としてワールドカップ3大会に出場している小野だが、1999年のシドニー五輪予選で左膝を大怪我するなど、プロとしてのキャリアは決して順風満帆ではなかった。それでも一度ピッチに立てば芸術的なプレーで観衆を魅了し続けてきた。どんなボールでも楽々とコントロールする姿は、これぞ“ボールは友達”だ。

 加入が決まった札幌の公式HP上で、「まずはオーストラリアで残りのシーズンに集中して結果を出し、その勢いでコンサドーレのJ1昇格実現に貢献したいと思ってます。最高のコンディションで合流しますので、サポーターの皆様、応援よろしくお願いします!」とコメントしている。

 小野の加入は、札幌にとってピッチ内外で好影響をもたらすだろう。だがきっと、札幌サポーターだけでなく日本中のサッカーファンが、小野のプレーを日本で見ることを心待ちにしているはずだ。

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top