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本田圭佑 10年前

今後も“本田対策”が予想されるが――。ミラン新監督のポゼッション志向への固執が意味する“10番との心中”

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

まずまずの内容でなぜ低評価だったのか?

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ベローナ戦で本田は得点に直結する仕事ができなかった【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 しかし、地元メディアからの評価は結構低かった。評点は軒並み、及第点以下の5.5か5。「過去2戦のパフォーマンスからは一歩後退」。コリエレ・デッラ・セーラ紙でこのように評されていた言葉がもっとも典型的な見方だ。

 必要以上に持ち上げておいて、悪ければこき落とす――長友も言っていたところの、イタリアメディアの厳しい特色が出たとも言えるが、なぜ今回はそういう評価に落ち着いたのかを冷静に見る必要がある。今回は、得点に直結する仕事をしていないというのが彼らの見方だ。

 サッスオーロ戦では、強烈なミドルシュートがバーを叩いた。コッパ・イタリアのスペツィア戦では、言うまでもなくゴールを叩いている。結果を求めるイタリアでは、攻撃陣にはゴールに直結する仕事を求める。

 この点で、過去2戦の本田のパフォーマンスは彼らにとっては『合格』であり、ベローナ戦では『及第点を下回った』という評価になったのである。

 惜しかったのは、前半17分に訪れたビッグチャンスを逃したことにあった。カウンターからデ・シリオがボールを運び、本田はそれに合わせて前線へと走る。DFラインのギャップへ走り込み、絶妙にポジションを取ってクロスを呼び込んだところまでは完璧な流れだったが、トラップが乱れた。

【次ページ】ベローナの徹底対策
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