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本田圭佑 10年前

今後も“本田対策”が予想されるが――。ミラン新監督のポゼッション志向への固執が意味する“10番との心中”

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ベローナの徹底対策

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周囲との連携を高めて行く必要がある【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 このようなプレーを多く繰り出し、また少なくても訪れたチャンスは確実に枠へと納める。こういった精度と集中力が必要となる。もっとも9分のクロスが得点につながらなかったのはカカーが外したせいであるのだが、こちらでは課程よりも結果が重視される。アシストへ繋がるプレーの回数を増やせるように、周囲との連係を高めて行く必要もあるだろう。

 ただ、守備戦術がマニアックなまでにタイトなイタリアでは、その機会を増やすことも難しい。その萌芽は、昨日の試合で実は現れていた。ベローナのマンドルリーニ監督は、正体が分からない中でセードルフ新監督、また本田への対策を取っていたのだ。

 試合後の記者会見で、敵将は興味深いことを口にした。

「情報はあまりなかったが、新聞で報道されたメンバーを見たところ、トレクアルティスタを多く並べて来ることは予想がついた。つまり彼らは足元へと繋ぎ、中へ、中へと繋いで攻めて来ると読んだ」

 実際、その通りに彼らは、ポゼッションを譲り渡す一方で中央のスペースをしっかりと固め、最低限シュートだけは許さないように務めた。ミランが前半、75%を超えたと言われるポゼッション率を誇りながら、その間に相手ゴールを割れなかったのは、彼らの堅守の賜物であるとも言える。

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