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5年間ノーゴールでも約75億円は保証。ネイマール移籍金騒動、争点は金額よりも不可解な契約内容

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta , Kazhito Yamada / Kaz Photography

きっかけはサポーターの一言

 一方、既にFCバルセロナは弁護団を用意し、このネイマール騒動に真っ向から対立する姿勢を見せている。たまたまこの報道があった同日に、サンドロ・ロセイ会長がカンプ・ノウの今後に関しての総会に出席し、ロセイ会長はその場で「このクラブで、契約条項の守秘義務がある場合、基本的に相手サイドが望んだが故にある」と明言。

「私達は契約にあることは遂行する。隠すことはない。だからこそ、裁判長に呼んでもらい、契約条項について説明することは、喜んでさせて頂く所存だ」と話し、「バルサは1000パーセント、会計において透明だ」と断言している。

 スペインでは近年、日本の天皇に値する国王王室にすら司法のメスが入り、税金詐欺、使途不明瞭金への追及が裁判所で行われるようになった。40年前は、国王の名前を冗談で口に出すだけで刑に問われたことを思えば、まさに民主主義の到来だ。

 今回のネイマール騒動も、FCバルセロナの一人のサポーターが公式に訴えたことに発端を発している。

 今までクラブレベルの大小を問わず、比較的“あること”でまかり通ってきたことに関して、徐々に厳しい風が吹いてきたことを、今回一連の“ネイマール騒動”が証明しているように感じる。

【了】

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