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PSG、モナコの大金投入も起爆剤にならず。移籍市場から読む、“寂しい”リーグ・アン事情

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

スターは来ているが、活気が出ているかと言うと…

 逆に、微額ながらも金銭を払って選手を獲得したのは、予想外に低迷しているレンヌや降格圏内から這い上がりたいソショーといった下位クラブだ。

 PSGやモナコが大金を投じて有名選手を連れてくることは、「リーグを活性化する」と歓迎されたはずだった。たしかに、これまでお目にかかることのなかったスター選手を国内で見られるようにはなった。

 しかし、他のクラブが対抗するのをハナから諦めてしまうほど差が広がるとなると、リーグ自体に本当に活気が出るのかは疑わしい。

 つい先日も、現在5位と立派な位置につけている古豪のナントが、PSG相手に、キックオフ直後からドン引きでまったくしかけない、という呆れたゲームをやらかした。結果はパリが5-0で大勝したが、あまりに退屈で、ちょうど同じ時間にやっていた、本田のACミラン戦のライブスコアばかり追ってしまった。

 はりぼての人形を相手に戦っているような試合じゃ、勝った選手たちも少しも充足感など得られないことだろう。2強以外のクラブの影がますます薄くなり、リーグ自体もさらに地味化してゆく気配……。閑古鳥のSOLDEと同じくらいにわびしい、リーグ・アンの冬である。

【了】

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