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Jリーグ 10年前

【英国人記者の視点】Jリーグに提案したい、アメリカMLSとの提携

text by ショーン・キャロル photo by Tetsuichi Utsunomiya , Asuka Kudo / Football Channel

MLSは世界で8番目の観客動員数

【英国人記者の視点】Jリーグに提案したい、アメリカMLSとの提携
JクラブユースからMLSへ羽ばたいた木村光佑【写真:宇都宮徹壱】

 Jリーグは「アジアのプレミアリーグ」としばしば言われている。その地位をもっと利用しなければならない。既に先手は打たれた。試合中継はアジアの多くの国で行われ、ヨーロッパや北米のチャンネルでも観ることができる。東南アジアのスター選手も獲得している。

 これは、多国籍なプレミアリーグが示すように、海外で関心を増やす素晴らしい方法だ。セレッソ大阪がディエゴ・フォルランを獲得したことは、トッププレイヤーが日本への移籍を現実的なオプションととらえていることを示す出来事と言える。

 しかし、私が理解できないことがある。JリーグがMLS(メジャーリーグサッカー)と協力関係を結ぶ道を探らないことだ。

 ともにリーグは同じ時期(MLSは1994年W杯がアメリカに決定したことをきっかけに設立され、1996年に現在の形が確立)に創設され、すでに既存の国民的スポーツが存在するなかで、自らを確立しなければならない状況だった。そして、同じく3月から12月にシーズンを開催している。

 提携は、双方に有益になるだろう。2リーグ間での選手移籍やマーケティング面での拡大についてのアイデアの共有など、ピッチ内外で役に立つはずだ。驚くことに、サッカーはアメリカで3番目に観客動員数の多いプロスポーツだ(アイスホッケーやバスケットボールよりも上)。そして、世界のサッカーリーグで8番目に高い平均観客動員数を持つ。Jリーグは、現在トップ10にも入らない。

 私は最近、MLSで最初にして現在も唯一の日本人選手であるニューヨーク・レッドブルズの木村光佑にインタビューする機会を持った(日本とアメリカ、双方知り、提携のメリットを語れる最適な人物と言えるだろう)。

「米国は、プロ意識がすべてです」と元川崎フロンターレユースの木村は語る。

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