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本田圭佑 10年前

「不可解なオブジェ、UFO」。現地紙が本田圭佑を酷評する3つの要因

text by 編集部 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

要因②:ポジション「カカと本田はサイドが最適ではない」

「問題」と題された次の段落では、クラレンス・セードルフ監督の標榜する4-2-3-1システムについてメスを入れていく。

 本田の胃腸炎がミランの戦術的な疑問が顕在化することをストップした。セードルフ監督はナポリ戦でも(前節機能不全だった)トリノ戦のようなクリエイティブなトリオ(右本田、中央カカ、左ロビーニョ)を起用することは実際に疑問だった。

 このトリオは自然とはいえない。チームの守備面にも大きな影響を与えている。まさに本田とカカのポジションはお互いに気をつかわなければいけない。カカのポジションはサイドが最適ではないし、本田も同じこと。

 しかし、2人のうち、どちらかはサイドにしなければならない。適応と連動には時間がかかる。セードルフのチームはまだ工事中だ。目指しているのは、ベニテス監督の実践するような魅力的なサッカー。

 とてもポジティブでアイデアに満ちあふれたサッカーが目標だが、しかし今このプロジェクトには、本田は不可解なオブジェになっている。UFOはあちらこちらに着地し、適切なポジションがまったくみつからない。セードルフは継続性を追求しているので、いいニュースではない。クラブの強化部も監督を協力しながら支えるというのは強い決定事項であるから。

 今度は、不慣れな右サイドで不確かなポジショニングから、そして、日本代表で務めるトップ下の役割を与えられないことから、本田は未確認飛行物体「UFO」扱いされている。1トップ下に3選手が並ぶ現行のシステムは時に流動性を見せている。

 トップ下のカカがサイドに流れ、本田が中央に進出することもあるが、残念ながら効果的な崩しにはつながっていない。カカと本田はどちらもサイドアタッカーではないし、ディフェンスな労力を割くタイプではない。セードルフ監督には看過できない戦術上の問題となっている。

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