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香川真司 10年前

【現地・英国人記者の視点】出場機会激減の香川真司がマンUから移籍できない理由

text by photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

スポンサー収入は40%増

 だが、そうした監督との駆け引きができるのも絶対的な力を持っているルーニーだからこそだ。香川もドルトムント時代にはユルゲン・クロップ監督から「外せない選手」として確固たる地位を築いていたが、ユナイテッドではいまだにその地位を築けずにいる。

 昨季、ファーガソン前監督は「香川は来季にもっと良くなる」と前向きに語っていたが、その発言も監督交代で意味のないものになった。仮にファーガソン氏が今季も続投していたら、ドルトムントで香川と絶妙な連係を見せていたポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキやMFイルカイ・ギュンドアンといった選手の獲得にも本腰を入れていたかもしれない。

 今冬の移籍市場では、マタの加入により香川の移籍も囁かれた。ブラジルW杯を見据える香川にとっては期限付きで今季終了まで移籍するという選択肢もあっただろう。だが、移籍市場も終盤に差し掛かっていたためか、はたまたスポンサーとの契約を意識してか、残留を決意するに至った。

 現にユナイテッドは12日、10月から12月までの収益が前年同期比で11.6%増の1億2290万ポンド(約208億円)だったことを発表。グッズ収入、放映収入もそれぞれ約19%増となり、スポンサー収入に至っては約40%増となった。

 ここにも香川効果が如実に表れており、日本のフジTVからの放映収入をはじめ、日本企業7社からのスポンサー収入が含まれている。(※フジテレビは「マンチェスター・ユナイテッドTV(MUTV)」を放送)

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