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長友佑都 10年前

コロンビア代表クアドラードとのW杯前哨戦。長友が制したセリエA最高のアウトサイドとの激闘

text by 神尾光臣 photo by Getty Images , Kazhito Yamada / Kaz Photography

振り切った長友。サイドを制圧

コロンビア代表クアドラードとのW杯前哨戦。長友が制したセリエA最高のアウトサイドとの激闘
長友佑都【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 だが、長友はやり返す。守備では厳しくクアドラードをマークし、スピードに乗せないようにしつつ、立て続けに前に出る。9分にはグアリンのスルーパスに反応して飛び出し、クアドラードのチャージを受けながらもエルナネスに繋ぐ。

 その直後には、ダイレクトパスでファン・ジェズスのオーバーラップを演出。15分にはパラシオとの連係から攻め上がり、クロスを上げてCKを取った。

 こうした動きを繰り返すうちに、ついにクアドラードが長友の上がりに付いて行けなくなった。21分、フィオレンティーナの攻撃を止めた後で長友は、攻め上がったクアドラードの背後のスペースでボールを受ける。

 アクイラーニがマークに付くが、今の彼にとっては物の数ではない。タイミングを図って縦の突破で振り切ると、前方でDFの前に飛び出そうとしていたイカルディを把握する。素早く放った左足のクロスは正確にイカルディの足元に納まり、決勝点へと繋がった。

 その後、このサイドは完全に長友が制圧。突破にクロス、また最近得意となったパラシオへの縦パスなどやりたい放題で、「あいつさっきからずっとフリーじゃないか!」とフィレンツェの地元記者からはファン感情丸出しの叱責が飛ぶ。

 そしてクアドラードは、35分に交代。負傷を訴えており、足が止まったのはそのせいもあるのだろうが、長友がサイドを押し込んだことは事実だ。

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