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2014補強診断 10年前

徳島ヴォルティス、2014補強診断。残留には小林監督による守備戦術の浸透が必須

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

「守備戦術」を徹底できる陣形ありき、その中での新戦力起用

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エース・津田知宏【写真:松岡健三郎】

 藤原広太朗の負傷によって、右SBの定位置を確保した高速ドリブラー小暮大器の横には小林監督と共に徳島3年目を迎えるCB福元洋平。ボランチは前橋育英高時代から正確なキックでボールを動かす小島秀仁。

 彼とコンビを組むのは、昨シーズンCBもこなした小林戦術最大の理解者・斉藤大介。また、小暮の前右MFにはボランチから濱田武が転ずる。すなわち新戦力の縦横には経験者を配する布陣が鉄則となっているのだ。

 よって、柏の「10番」レアンドロ・ドミンゲスの実弟でゲームメイカーとストライカーの両面を任されるクレイトン・ドミンゲスも例外ではない。宮崎キャンプで彼がFWにもっぱら起用されたのは、もし彼を右MFに配した場合、新加入選手同士で右サイドが並ぶことになるから。

 最初はエース津田、J1昇格プレーオフでは津田のゴールをアシストした高崎といった経験者との2トップないし1.5列目で、昨シーズンは完全にチーム戦術を理解したドウグラスに替わる途中出場から馴らし、徐々に本来の位置に入れていく設計図を指揮官は描いているのだろう。さらに両サイドには山形で小林監督の指導を4年間受けたドリブラー・廣瀬智靖も期限付き移籍で控えており、小林戦術伝承の準備は着々と進んでいる。

 2009年にはボランチ柴崎晃誠がJ1広島へ去った現在の徳島同様、J1初昇格・しかもFW豊田陽平がJ1京都(当時・現J1鳥栖)へ流出した山形を15位でJ1に残留させた実績を持つ小林監督。

「まずは守備から」。指揮官の意図を託された戦士たちは、昨シーズンに一皮向けた左MF大﨑淳矢と超攻撃的左SBアレックスとのコンビネーションや、セービングの安定度ではJ1中位でも通用するGK松井謙弥、さらに「J1昇格アドレナリン」も戦力として、J1残留ミッション達成へ闘い抜く。

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