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ドログバとモウリーニョ、記念すべき再会。第2戦で愛弟子を待ち受ける“最高の歓待”は指揮官からの罠?

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

かつての11番に仕事をさせなかったDF陣

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ジョゼ・モウリーニョ監督【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ただし、選手のハートに訴える術に長けたモウリーニョではあるが、抜け目のない策士がセンチメンタルだけで物を言うとは思えない。勝算あっての対戦希望だろう。第1レグでのチェルシーは、カウンターを仕掛ける度に相手ゴールに迫った。

 昨年9月末に監督がロベルト・マンチーニに変わった後も、ガラタサライの弱点が守備であり続ける事実は明白。先制ゴールを決めたフェルナンド・トーレスには、少なくとも他に二度の好機があった。

 マンチーニがハーフタイムを待たずに中盤を厚くした後は、セットプレーが最大の脅威という攻撃面の限界も窺えた。そのキーマンがクロスの標的になるドログバだが、手の内を知るチェルシーDF陣は仕事らしい仕事をさせなかった。オープンプレーではテリーとガリー・ケイヒルが目を光らせ、セットプレーではブラニスラフ・イバノビッチが張り付いた。

 例外は、ショートCKからイバノビッチが競り損なった一場面。ドログバのヘディングは枠外に向かったが、セルチュク・イナンが正確に押し込んでいれば同点となっていた。だが、実際に追いつかれた場面で、イバノビッチは再びドログバを力で押さえ込んでいた。

 失点の原因は、ドログバがマークされている様子に気が緩んだのか、オレリアン・シェジューに届いたクロスを見送ったテリーの反応。今季は、モウリーニョ復帰と共に守備の要として復活したキャプテンが、集中力の維持を肝に命じて第2レグに臨めば再現は防げる個人ミスだ。

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