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日本代表 10年前

新ボランチの軸に、成長を続ける山口蛍「自分だったら“ここを埋めていた”というのはある」

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「逆にそういう時こそカウンターに気を付けた方がいい」

「青山君とのコンビ? うまく行けたと思ってますし、特に問題はなかったです。自分が下がったのは自然とそうなってました。立ち上がりから点も入ったし、押せ押せになっていたから、逆にそういう時こそカウンターに気を付けた方がいいと思って、そこに意識していたのはあります。

(ビルドアップの時はセンターバックを開かせる狙いがあった?)それもあるし、自分がサイドバックのスペースに落ちてサイドバックを押し上げる意図もありました。そのパターンがいくつかありましたね。

 それだけじゃなくて、もっとボランチのポジションで受けて散らせればよかったなと思います。それは練習でもやっていたし、そういう形が出ていたので、意識してやってました。

 ただ、監督からは『下がるのはいいけど、そこからでも前へ行け』と言われていた。今日は点を取るところまでいいコンビネーションで崩せていたので、あえて自分が行く必要はないと思ったし、両サイドバックも高い位置を取っていたので、リスクを考えてステイしていた方がいいかなと考えていた。でも監督が言うことも確かに大事だなとは思いました」

 とはいえ、4得点した後の日本はチーム全体が間延びし、それまでの連動した戦いができなくなった。前半39分には酒井宏樹のサイドをえぐられて1点を奪われてしまう。その場面については、山口も悔しそうだった。

「右サイドのカバーリングについては、コミュニケーションは特に取っていなかった。後ろからもそんなに声がかかってはいなかったですね。相手のセンターバックからサイドに一発で振られた時に、まさかあんなふうにフリーになっているとは思っていなかった。

『何であんなにフリーなのかな』と考えながらやっていました。オカさん(岡崎)とか前の選手が全員、前にいっていたから、あそこに戻れていなかったのは仕方ないのかなと思うけど、もっとコミュニケーションが取れていればよかったかなと思います。

 前半残りの15分はスペースが空いて間延びして、チームのバランスがちょっと崩れた。その時間帯に時に失点してしまったのがあるんで、そこは反省しなくちゃいけない」

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