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本田圭佑 10年前

右での起用はセードルフ監督から本田圭佑への温情か。トップ下よりも機能していた現実

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

トップ下としては物足りないパフォーマンス

 そして皮肉にも、トップ下に回された後半25分からはミスそのものが増えた。周囲をウディネーゼの守備陣に囲まれる中、ダイレクトパスで切り崩そうとしてミスパスに。一方でボールを受ければ厳しいチェックに合い、ボールをロストするシーンもあった。

 この頃には、左にはオフ・ザ・ボールの動きが良くないバロテッリが、右には意識がひたすら仕掛けに向かっているターラブが交代で投入されている。前線の選手間には動きがなく、それぞれが足元にボールを欲しがる状態になっていた。

 残念ながら、本田もまたしかりだ。代表戦の90分間と移動による疲労が影響していたのかもしれないが、彼自身にもマークを外し、プレーディスタンスを確保するランニングがないようにも見えた。

 それでは味方も出しどころに困る。それでいて試合終盤、DFを背にしてボールを要求した本田にメクセスが縦パスを付ければ、あっさりロストしてカウンターへと持って行かれてしまう。疲労を考えればミスは仕方ないとしても、トップ下を主戦場と自負する選手ならば死守して欲しいチャンスだった。

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