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日本が注意すべきは肘打ち? 怠惰な国民性の裏に潜む狡猾さ。経験者が語るギリシャサッカーの美学と弱点

text by 杉山孝 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「俊敏性では日本人についてこられない」

 さらに、目に見えない特徴もあるという。

「ギリシャのサッカーは、汚さもある。CKなどセットプレーは顔面に肘打ちを入れてきたり、手を握ってきたりと、裏でいろいろやってくる」

 確かにギリシャ代表にとってセットプレーは大事な得点源である。ただし、坂田には付け入る隙も見えている。

「(ギリシャの屈強なDFに対しても)、本田(圭佑)なら大丈夫じゃないかと思う。それに俊敏性では日本人についてこられない。スライディングタックルなど、一発で飛び込んでくる傾向もあるし」

 良く言えば積極的、裏返せばギャンブル的なプレーにも勝機を見いだせるといったところか。

 一方で、ピッチ外でギリシャの人たちは日本に対して憧れに近い気持ちを持っているようだ。アリスの選手たちは坂田の地元である横浜をパソコンで検索し、みなとみらい地区などの近未来的な画像を見つけては驚愕していたという。世界の共通語「スシ」は、ギリシャでも高級料理を意味する。

 移籍当初の坂田は、「どうしてギリシャに来たんだ?」と聞かれることさえあったそうだ。

 ブラジルでの対戦に向け、日本でのギリシャサッカーの研究が進んでいくことだろう。対してギリシャ人は今後、日本に対してどんなイメージを膨らませていくのだろうか。

【了】

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